植え方・用土
植えつけに最適な時期は11月~翌年2月頃です。この時期の植え付けでは根を軽くほぐし、根を広げて植えます。それ以外の植え付けでも大丈夫です。3~6月、9~10月の植え付けは根を崩さず、乾かさないように植えます。真夏に植える場合、根を崩さずそっと植え、植え付け直後は毎日水を与えてください。
土質は選びませんが、水はけと通気性の良い土壌を好みます。
鉢植えの用土は当店の
花ひろば培養土「和み」がおすすめ。夏場の日中などは日光に当ててあげてください。
地植えでは
堆肥を3割、
パーライトを3割土に混ぜて土壌改良してください。
水やり
葉が大きいので水の吸い上げも盛んです。露地栽培では雨任せで大丈夫ですが、長く乾燥してから大雨にあうと給食な水の吸い上げによって果粒の膨張しすぎて裂果することがあります。初夏や夏に雨が少ないときは数日に1回水を与えてください。秋冬は水の与えすぎの根腐れに注意してください。
肥料のやり方
土が肥えていれば肥料は控えめにして早めに樹勢を落ち着かせます。有機肥料を与える場合は10月下旬~11月頃に与えます。ブドウの好きなアミノ酸がたっぷり含まれた「
ぶどうがおいしくなる肥料」がオススメです。6月以降はマグネシウム欠乏症が起きることがあり、梅雨入り後くらいに
天然硫酸マグネシウム肥料を与えるとよいです。ぶどうは窒素分を多く与えると樹勢が強くなりすぎて果実の品質低下になるので、よほど生育が悪い場合を除き、追肥は必要ありません。
花芽の付き方
ぶどうは若い柔らかな枝に養分が蓄積され、前年伸びた枝の葉腋のほとんどに花芽を含む混合芽がつきます。春になると、混合芽からつるが伸びて、つるの基部から3節目くらいに2~4の花房が咲きます。前年の貯蔵養分が不足していたりすると花芽がつかなかったり、花ぶるいします。
また、剪定や芽かきの強弱、窒素肥料の多少によってつるの勢いが左右されやすく、
つるの勢いが強すぎると受精(この場合は樹勢ではなく受精)が悪くなって果粒が落花する花ぶるいがおきます。前年の養分を蓄積させるために秋遅くまで葉が茂るようにすることや、窒素過多にならないようにすること、芽かき量を減らして樹勢が落ち着くようにするなどで花ぶるいを予防してください。
剪定方法
日本では棚仕立てが多いです。高温多湿で春から秋にかけて雨が多い日本では、ぶどうは雨の跳ね返りや雨が原因で病気になりやすいので、なるべく地面から遠いところで果実をならせるために棚仕立てが一般的になりました。
ヨーロッパ地方は比較的雨が少なく空気も乾燥しているので病気が少ないことから、ヨーロッパやアメリカなどでのブドウ栽培は生垣仕立てが多いです。
日本国内でも生垣仕立てもできます。生垣仕立てですと、果実が低い位置になるので収穫しやすく、ベランダや狭いお庭でもブドウ栽培に挑戦できます。
その他栽培や性質の注意点
1本の新梢に2~4個花房ができますが、全部ならせると着色不良や果実の肥大も遅れ、来年の花芽も充実しなくなるので、棚仕立てでは50cm前後の弱い枝は新梢3本に1房、1mくらいの枝では2本に1房、2mの強い枝には1房を目安に摘房します。フェンス仕立てでは縦に伸ばすツル1本に1房。ならせなかった枝は翌年の着枝にします。
一気に1新梢1房に減らしてしまうと養分が新梢の成長に回って樹勢が強くなり、花ぶるいしやすくなります。若木で樹勢が強い木は最初は摘房を控えて新梢の伸びを抑えておくとよいです。樹勢が落ち着いている木は花穂を多く残しても摘粒手間がかかるだけなので、最終着房数の2倍くらいを残して花房を摘房しておくとよいです。
甲斐路は
ジベレリン処理で種無しにできませんが、花ぶるいしないように房づくりをします。時期は花穂が伸び切ったころ、花が1~2輪咲いたころに房づくりします。
その後、花ぶるいして着果が粗い房や粒に偏りがある房、粒がつきすぎて摘粒の手間がかかりそうな房は摘房して、摘粒の手間を減らします。
摘粒は1房500gを目指す場合、最終的に50~55粒が目安です。縮果症が出やすいので、一気に摘粒するのではなく1割程度多めに残します。開花期から40日くらいで果粒肥大が2週間程度停滞してからそのあと急速に果粒が肥大するベレーゾンが起きるので、ベレーゾン以降に見直し摘粒して最終粒数に仕上げます。
その他豆知識
詳しいブドウの育て方はこちら
病害虫の予防法
雨で黒痘病が出やすくなるのと、裂果を防ぐために雨除け栽培をおすすめします。