Chamaemelum nobile
リンゴやパイナップルに似た甘い香り
ヨーロッパでハーブティと言えばカモミールです。ローマンカモミールは西欧で良く使われる多年草です。葉、茎、花、全てからリンゴのような優しい香りがします。10~40cmほどの草丈のまま地面の横に這う性質があるので、チューダー王朝の頃から芝生として楽しむ事が流行し、今でも英国の古い庭園に残されています。デイジーに似た可愛らしい花を咲かせます。その形状が太陽に似ていることから、エジプト時代の人々は太陽神に捧げる花として崇めていたそうです。生育はゆっくりで、直立する茎は枝分かれしますが、茎が地面を這い発根することもあります。葉は羽状でとても細く裂けていて瑞々しく柔らかです。茎頂につく花は強い芳香があります。踏みつけにも強いので、香る芝生としても楽しめます。生長は遅く、夏の暑さに弱いので芝生ほど広く生え広がらないです。冬になって地上部が枯れても宿根するので、翌春に充実した株となって芽を出します。「植物の医者」と呼ばれ、まわりの植物を元気にするといわれます。いわゆるコンパニオンプランツです。よく似たカモミールでジャーマンカモミールがあります。ジャーマンカモミールは一年草で花が少し小さく、葉に香りがありません。ハーブとしての効能もよく似ています。ハーブティーにするとジャーマンカモミールよりも苦味があります。ローマンカモミールの利用法としては、花はハーブティーや入浴剤、ポプリや化粧品、芳香剤に使われます。葉や茎は入浴剤に用いられます。花を蒸留して精油してアロマテラピーや薬用の吸入剤に用いられます。押し花やポプリに用いたりもします。キク科植物のアレルギーがある方は栽培や利用には注意が必要です。また飲食用でも適切に用いて、多量接種は控えてください。