ダブリンベイ(CL)
Dublin Bay
あまり手を掛けなくても丈夫に美しく育ち、多くの花を咲かせる人気の品種。
四季咲き、中輪、つるバラ。アルテシモから受け継がれた気品のある美しい花色が魅力的です。冷涼な気温では赤色が鮮明になります。花弁が強く、雨での花痛みや色褪せが少ない品種です。花には軽い芳香があります。数輪の房咲きになり、花付きも良いです。
耐暑性・耐寒性に優れているので育てやすい品種です。うどん粉病に強いです。
ダブリンベイは作出国がニュージーランドという記述もあれば、アイルランドという記述も散見します。名前からするとアイルランドっぽいのですが、調べてみると、作出者は北アイルランドとニュージーランドで活動しており、1976年3月14日にニュージーランドでパテント登録されています。
ラージフラワードクライマー(LCl)系統のバラはランブラー系のつるばらにハイブリッドティー系やフロリバンダ系を交配して作出されたつるバラです。ラージフラワードクライマー系統のつるバラは、短く切り詰めブッシュ樹形のように管理してもよく咲いてくれる性質があります。
業界騒然!どこにも売ってない「バラ3年生」
バラ苗を選ぶにあたって最も重要なのは、「株が充実してるかどうか」。これに尽きます。秋頃からホームセンターに並ぶバラ苗たちは、正直いって春に花を咲かせるかと聞かれれば、そこそこ咲くでしょう。
でも、ボクたちプロからすると、やっぱ見ちゃうんですよね、株を。冬のバラと呼ばれる2年生大苗。もちろん、春に花を楽しめるから、全国のバラ苗販売店で最も多く商品を取り揃えている規格ですが、上の写真をよく見てください。今回のバラ3年生大苗がどれくらいすごいかを!1年先に成長してるから3年生なんですけど、ルーツは大苗を畑から掘らずにそのまま養生・越冬させ、さらにそこから1年間育てたものを畑から掘り起こし、ポットに詰めました。だから従来の大苗に比べて枝、株、高さ、どれをとっても当然ですがグレードアップしています。
今回は「つるバラ」ばかりを集めてみました。つるバラは一季咲きの性質が多いですが、その分 四季咲き性のバラに比べて春の開花は豪快です。生産者も太鼓判を押す バラ3年生大苗で、ローズガーデンにチャレンジしてみよう!
もちろん、初心者の方も安心して育てられます。
ダブリンベイの特徴
学名
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バラ科 バラ属
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作出年・作出者
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1969年 (アイルランド・・Samuel Darragh McGredy IV)
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交配親
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Bantry Bay × アルテシモ
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開花時期
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四季咲き
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花色・大きさ・花形
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緋赤・中大輪咲き(10cm位)・八重咲き
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香りの強さ
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★★☆☆☆ 微香 ティー
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最終樹高
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地植え:2.5m ~ 5m 鉢植え:1m ~ 2m (落葉つる性)
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最終葉張り
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つる性 しっかりタイプ
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栽培用途
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庭植え向き、地植え向き、鉢植え向き、プランター向き、高いフェンス向き、アーチ向き、ポール向き、オベリスク向き、パーゴラ向き、壁面仕立て向き
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成長の早さ
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樹勢が強い
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植栽適地
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日本全国
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育てやすさ
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★★★★☆ 初心者におすすめ 日照条件:日なた、耐陰性普通、 耐寒性強い、耐暑性強い
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耐病害虫性
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耐病性:強い 害虫:普通につく
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トゲの大きさ
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トゲが多い
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花言葉
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愛、美
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植え方・用土
植え付け適期は10月から翌年の春、遅くても5月中には植えてあげましょう。他の時期でも植え付けは可能ですが、葉っぱが残っている時期は根鉢を崩さないようにそっと植えつけ、水切れさせないよう注意します。ふかふかの土が好きなので、地植えの場合は完熟
堆肥を漉き込んで植えつけます(肥料分が入っていない場合は元肥もいれます)。鉢植えの場合は
培養土を使用すると楽ちんです。スリット鉢でない場合は、排水性を良くするために
鉢底石を鉢底に敷いてください。
水やり
鉢植えの水やりのポイントは、土が乾いたらたっぷりと水を与えることです。地植えの場合は土が乾いて葉の先が萎れたときにたっぷりと与えます。ですので、梅雨の時期は控え気味に、真夏の高温期は水切れさせないよう注意しましょう。
冬の時期は休眠期に入るので鉢植えでも水やりは控え気味に。たまに土の表面を見て乾いていたら与える程度で大丈夫です。地植えの場合は雨水で十分です。
肥料のやり方
3月の芽出し時期と夏剪定後に追肥を行います。バラが弱っている場合は液肥や活力剤で樹勢回復を優先しますが、そうでない場合は緩効性肥料を適量与えます。
地植えの場合は、寒肥として株周りに乾燥牛糞等を漉き込みます。
剪定方法
LCは仕立て方によってつるバラの系統なのでフェンスに添わすことが可能です。また、短く切り戻しブッシュ樹形にしても楽しめます。四季咲きの傾向が強い品種も多いため、秋の開花を楽しみたいのでしたら、つる仕立てにする際も、木立仕立てのような切り戻し剪定を行います。
■木立仕立てにする場合
【冬剪定】
木立に仕立てる場合は、1月中旬から2月上旬の、芽が動き始める直前に剪定を行います。生育の悪い枝や並行枝などの不要な枝は根元から取り除きます。また、全体に日が当たるようバランスを見ながら全体の1/3~1/2を剪定します(1/2以上残します)この際に、芽の少し上で切るようにしましょう。
通常はこの時期は落葉していますが、近年の温暖化の影響か葉が残っていることもありますので、剪定する2週間前に葉をすべて取りのぞき、枝の状態を確認しておきます。
【花後の剪定】
一番花を摘み取ったら、その枝の葉を2~3枚残して切り戻し剪定を行います。
また、梅雨や夏の高温期は病気になりやすい時期でもあります。不要な枝葉適宜剪定し、風通しがいい状態を維持しましょう。
【夏剪定】
9月ごろの気温が下がり始め、生育が再び活発になるこの時期に夏剪定を行います。夏越し後のバラの状態にもよりますが、基本的に葉が残っている部分の1/3弱ほどを剪定します。弱ったバラだと下葉がないこともあるため、枝先をちょっと切るだけになることもあります。この時に株元がカチカチのようなら少し耕してあげましょう。
■フェンス仕立てにする場合
【夏剪定】
7月ごろに夏剪定を行います。去年から誘引している親枝を枝先から1/3程度元気なシュートの手前まで切り戻します。切った後に出てきたシュートは、束ねて垂直になるように軽く縛っておくと育ちが良くなります。
【その後の剪定】
梅雨や夏の高温期は病気になりやすい時期でもあります。不要な枝葉は適宜剪定し、風通しがいい状態を維持しましょう。
【冬の誘引】
今年に伸びた枝が固くなる前、12月ごろに誘引を行うのが理想です。(一応2月くらいまでは誘引可能)。葉っぱをすべて落とした後に、良い枝から優先的に水平になるように誘引していきます。枝同士が少なくとも握りこぶし分くらいは離れるようにしてください。
その他豆知識
近年の夏の暑さはバラにとっても大変な負担です。直射日光が当たらないように工夫するなど、バラが涼しく過ごせるような対策をしてあげましょう。葉っぱが黄色くなり始めたら夏バテのサインです。
病害虫の予防法
3月頃から病害虫の被害が増え始めます。植物の様子を見ながら適宜、薬剤などを使用します。特に、梅雨の湿気が多い時期や真夏の高温期は要注意です。