園芸店の植物管理のうんちく。
植物管理のうんちくをお届けししております。
よろしくお願いします!
うんちくコーナーを一番最初に書いて欲しいと、ご要望をいただきました。
なので、冒頭の目次の部分をクリックしていただくと、このうんちくコーナーにひとっ飛びできるように工夫してみました。
使い心地はどうでしょうか。
今日は熱帯果樹の販売再開のご案内をさせていただきました。
まだ2月と言うのに、夏の果樹をご紹介しました。
花屋さんや園芸店は季節を先取りがすごいのです。
東京は雪予報なのに、申し訳ありません。
早くも夏の話ですみません。
せっかく新商品の紹介もしておりますので、
以下の↓もクリックしてください。
冒頭にひとっ飛び。
春が近づき植物たちも成長を始めているものもちらほら見かけます。
立春も過ぎましたもんね!
葉も花もない苗木でも、地面の中では根が活動を始めようとしています。
寒冷地でなければ、春まで植え付けを待つよりも、早めに植え付けた方が根の成長のために良いです。
梅の花がほころび始めていますが、桜の蕾はまだ固いままです。
花の時期が異なるように、植物それぞれに芽吹き時期が早い、遅いがあります。
ぶどうや柿、キウイなどは芽吹く時期が遅いです。
常緑性のみかんなどは芽吹き時期に個体差が大きく、同じ品種、同じ環境で育てていても3月に芽吹く苗もあれば6月まで芽吹かないものもあったりします。
ナツメは夏に芽吹くからナツメと言われるので、遅れて芽吹くこともしばしばです。(ナツメの和名は夏に入って芽が出ること(夏芽)に由来する。とwikipediaにも書いてありました)
そういえば、昨年まで暖冬だったので、ブルーベリーも落葉せずに葉が残っていたのが多かったですが、今年は概ねほとんどのブルーベリー苗が綺麗に落葉をしてくれています。
その年その年の気候で、育ちはじめる時期も変化します。
梅が咲き、椿が咲きと花のリレーが進むけど、まったく芽吹かない苗木を見ていると枯れているのか?と心配になる部員さんが多くなる季節になりました。
「庭の桜は芽吹いているのに、この前買ったナツメはなんで芽吹かないのか!」
そう言うものです。
なつめですし。
まだ苗木は子供ですし。
芽吹く時期も個体差がありますし。
枯れているかどうか、健康かどうかは、幹肌の質感や色を見ればわかります。
なので、私たちは商品の幹肌を一つ一つめくって確認をすることはありません。
商品に傷つけてはダメですから。
樹皮をめくらなくても樹皮に縦じわが入り、生気がなく干からびたような感じにも見えます。 ブドウやざくろ、ラズベリー、ウツギなど一部の樹種は、健康な苗木の樹皮が干からびたような縦じわが入ったようになっている場合があります。
わかりにくい樹種もありますが、見慣れてこれば大抵樹皮の感じや色、新芽の様子で枯れているのか、生きているのかがわかります。
以下の写真はザクロの枝です。
所々毛羽立っていて、樹皮がめくれたりして枯れているように見えるかもしれませんが、
安心して下さい。生きてます。
枝を切って見て中が茶色かったら枯れているとも言われます。切って見ました。
肝心なところがピンボケです。
安心してください。私も老眼なので、細かいものは見えにくいので、実際もこの写真のように、見えています。
茶色いです?
安心してください。枝を切って見て、中が茶色か緑かで判断をするのではありません。
これでも生きてます。
以下の写真はラズベリーの写真1です。
右に分岐している先は生きています。
分岐している真ん中の枝は枯れ込みです。
それより下は生きてるかどうかわかります?
生きてます。
枯れているように見えるかもしれませんが、生きてます。
以下の写真も同じラズベリーを別の角度から撮影しました。
白くなっていますが、枯れていません。
枯れているのかどうか、見分ける方法をお伝えします。
樹皮を爪や刃物で少し削ってめくってみてください。
樹皮の内側の形成層が緑色をしておれば、その部分より下は枯れておりません。
(樹皮をめくっても元どおりにしておけば、しばらくすると癒合してくっつきます。)
以下の写真は上のラズベリーの写真1と同じ株です。
分岐しているところの下で樹皮をめくってみました。
樹皮の内側の形成層は緑色しています。
安心してください。
枯れていません!
試しに枝を切ってみました。
直径3〜4mmでしょうか。
ピントを合わせるのも一苦労です。
老眼ですが、安心してください。見えてます。
隋の部分は茶色ですが、樹皮の内側の形成層は緑色。生きてます。
次の写真はぶどうの幹肌です。
樹皮に縦皺が入り、色も掠れたような茶色で、枯れているようにも見えます。
でも、生きてます!
ぶどうは樹皮がつるっとしてるので、樹皮をめくるのもやりにくいです。枯れているか判断が難しいかもしれません。
でも、生きてます。
私はぶどうは新芽を見て判断します。
新芽が少し毛羽立ってきています。
この毛羽立ちが少しずつ、少しずつ大きくなって、いずれ芽吹きます。
ぶどうは個体差があるので、芽吹くのが遅いと6月に芽吹くこともあります。
幹肌の質感と、色、新芽の様子を見ると枯れているかどうかわかります。
以下の写真は何かわかりますか?
ブルーベリーの新芽です。
葉芽ですね。
「新芽が枯れているから交換してください。」と言われることが毎年あります。
枯れているのではありません。
新芽が硬いだけです。
枝の色も若枝の緑です。(古い枝は木質化するので茶色です。)
生きてます。
ほとんどの植物は葉柄の付け根に次の新芽があります。
秋までは葉がいっぱいついていたわけで、その付け根に新芽があるわけで、仮に新芽が1〜2個枯れていたとしても、いっぱい新芽がいるわけで、その全部が枯れるのはほぼありません。
新芽が枯れていれば、その周囲も枯れているので、枝がもっと黒ずんだり、枯れた幹肌になります。
わからない場合は、見ればわかるので、ピントを合わせた写真を撮影していただき、メールでお送りください。判別します。
枯れたような状態でも、株が生きていますので、慌てずに見守ってあげてください。
まだ芽吹くには時期が早い植物も多いです。
やってはいけないのは、心配のあまり、掘り上げて根をチェックすること。
むやみに根をいじると枯れることがあります。
いつになったら芽吹くのでしょうか?
それは、私もわかりません。
同じ植物、同じ環境、同じ育て方をしていたら同じ時期に芽吹くのがほとんどですが、まれに7月に芽吹くのもいます。
生き物なのでしょうがないけど、遅い芽吹きは不良品ではありません。
私の長男は生後10ヶ月で歩きましたが、娘は9ヶ月くらいで歩きました。
同じ両親、同じ環境、同じ育て方でしたが、長男よりも1ヶ月も早かったです!
育ち方や生長が違っているから良いと思います。
プロセスも、それで一喜一憂するのも、楽しみの一つです。
園芸って素晴らしいです。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました!
苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)
|