自家製茶を楽しむ。 狭山カオリ (サヤマ茶)
新緑の香りの常緑樹
お茶はもともと薬として伝来してきたものです。
点てた際の香りなどもそうですが、植えてある茶の木の緑は、
見るだけでも清々しい青さです。
可憐な小さな花が咲きます。
濃厚な香りの耐寒性が強いチャノキ
「さやまかおり」は濃厚な良い香りに爽やかさを兼ね備えた香りの茶が採れる木として有名です。白花が愛らしいです。
狭山香茶(さやまかおりちゃ)は、お茶の三大生産地のひとつ埼玉県狭山市でヤブキタの自然交配実生から選抜されて誕生した品種です。香りが特徴的なので、お茶の産地の狭山に香りがついた名前となりました。狭山茶は静岡茶、宇治茶とともに日本三大茶と呼ばれています。「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という言葉もあります。その狭山市生まれのお茶の木です。
濃厚な香り、味、色、共にヤブキタに似ています。煎茶ではカテキンの含有量が多く、しっかりとした苦みがあります。
耐寒性に優れていて早生品種ですが、冬が寒いと早生、暖冬だと中生になります。多収で耐寒性が強く、赤枯れ、青枯れ及び裂傷型凍害に強く、凍霜害後の回復力にも優れています。耐病性は輪斑病と赤焼病には強いですが炭そ病には極めて弱いので防除や注意が必要です。
【お茶の木(茶ノ木・チャノキ)全般の特徴】
果樹畑の低めの生垣に植えられているのをよく見かけます。庭木として単木で楽しんでも良いし、列植して低めの目隠しにもおすすめ。ツバキ類の仲間ですので、育て方などは大体、椿と同じです。控えめに咲く花も愛らしいです。
お茶はもともと薬として伝来してきたものです。点てた際の香りなどもそうですが、植えてある茶の木の緑は、見るだけでも清々しい青さです。
チャノキの葉は新葉の芽先2 - 3枚ほどを摘み取って茶葉にし、緑茶や紅茶などの茶に加工して飲用されています。焙爐の助炭の上で乾燥したものが碾茶で、これを石の茶臼で挽いて粉末にしたのが抹茶、蒸して助炭上で手揉みして成分を出やすくしたものが玉露です。新葉を採集して玉露に準じて仕上げたのが煎茶、成葉を採集して煎茶に準じて仕上げたのが番茶です。番茶は焙じられて市販されるので、ほうじ茶とも呼ばれています。茶葉を軽く発酵させたのがウーロン茶で、完全に発酵させたのが紅茶です。
狭山カオリ (サヤマ茶)の特徴
学名
|
Camellia sinensis ツバキ科 ツバキ属
|
作出年・作出者
|
1971年 (埼玉県・埼玉県茶業試験場)
|
交配親
|
ヤブキタの自然交配実生
|
開花時期
|
9~11月
|
花色・大きさ・花形
|
白・中輪咲き(3cm位)・一重咲き
|
最終樹高
|
地植え:m ~ 2m 鉢植え:m ~ 2m (常緑低木)
|
最終葉張り
|
m ~ 2m
|
栽培用途
|
鉢植え、生垣、庭植え、盆栽、寄せ植え、畑、目隠し、低めの生垣、ボーダー
|
成長の早さ
|
早い
|
植栽適地
|
東北南部~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能)
|
育てやすさ
|
★★★☆☆ 育てやすい 日照条件:日なた~半日陰、耐陰性強い、 耐寒性強い、耐暑性強い
|
耐病害虫性
|
耐病性:強い 害虫:ほとんど出ない
|
花言葉
|
追憶、純愛
|
植え方・用土
水はけの良い、
堆肥をよく透きこんだ肥沃な土壌に高植え植えます。
日当たりと風通しの良い場所を好みますが、少々日陰でも良く育ちます。
水やり
夏場は毎日行ってください。それ以外の時期については、土の表面が乾いていたら、たっぷり与えてあげてください。
肥料のやり方
1月ごろに寒肥として有機肥料を与えます。
開花後にお礼肥えとして
油粕と
化成肥料を2握り程度与えます。
剪定方法
強い剪定はあまりおすすめできません。放任して育てたほうが花がよく咲きます。
無駄枝を間引く程度で通風と採光を良くする剪定にします。
庭植えなどで、コンパクトに育てる場合は剪定は花後すぐに行います。
その他豆知識
椿やサザンカの仲間ですので、だいたい育て方は椿類と同じです。
病害虫の予防法
初夏のもち病はダコニールを用いて駆除、チャドクガは捕殺するか殺虫剤で駆除します。病害虫が発生したらそのつど消毒を定期的に散布します。
なるべく自然栽培をして茶葉を楽しみたい時は、マルチングをして雑草などを防止し、薬剤使用を極力避けるといいです。